『 春・めばえのとき 』
え・・・・・・まさか。だって、もう、じきに16歳にもなるっていうのに?
それが。
そのときの僕の、正直な感想だった。
下着を持ってはいるのを忘れたと、素っ裸のまま髪からポタポタと水滴をたらしながらバスルームから出てきた兄さんを前にして、僕は思案する。
そういうことに関心が薄いのかなとも思っていたし、晩生なんだとも思ってた。
でも・・・幾らなんだって・・・・・・。
「兄さん、ちょっとソレ、見せてみな」
小柄な兄さんをひょいとベッドに放り投げる。
機械鎧をつけた兄さんの身体はたぶん重いのだろうけど、僕のこの鎧の体は重さを感じることがないから苦でもない。
「なっ!何すんだよアル!」
暴れる子猫のような兄さんを軽く押さえ込み、両脚をつかんで開かせる。そこをつぶさに観察する。
「やっぱりだ・・・・・・剥けて、ない」
「ばか!エロアル!そんなとこまじまじ見てんじゃねぇっ!!」
顔を真っ赤にしてバタバタ暴れる鍛え上げた腹筋を使って起き上がろうとする。押さえつけたまま僕は兄さんのソレを掌に乗せる。
「兄さん、これ、自分で弄ったりとかしてないの?」
ただでさえ赤かった顔がもう、火を噴きそうなくらいになって、唇を尖らせて情けない顔をしている。
これが泣く子も黙る史上最年少国家錬金術師エドワード・エルリックだなんて・・・・・・。
口が悪くて、師匠以外の誰に対しても敬語なんか使ったことのない、態度の大きさすらも有名な鋼の錬金術師が実は・・・・・・・・・こどもち〇こ・・・・・・。
「・・・・・・!アル!お前今、なんか笑っただろう!」
「無表情でしょ、僕は何時だって」
「判んだよ!なんか、吹き出してただろ!」
ぎゃあぎゃあとうるさいので手の中のそれをきゅっと握って黙らせる。
「あひゃ・・・っ!」
変な声を上げて硬直しながらうろたえている。
それは16歳にもなろうってオトコのとるリアクションじゃないでしょう。面白いけどさ。
「とにかくソレ、さっさと剥いちゃわないと」
「べべべ、別にこのままでも困らねぇし俺っ!」
ソコを隠そうとして伸ばす兄さんの両手をちゃいちゃいっと掃って僕は淡々と言葉をつなげる。
「いいわけないでしょ、病気になるよ」
「びょっ・・・・・・病気っ!?」
金色の瞳をこれ以上ないくらいに見開いて、信じられないといった顔で僕を凝視する。
まったく、兄さんてば専門馬鹿としか言いようがない。
「そう、病気。そうなったらお医者さんや看護師さんの前でちん〇ん晒してメスで切ってもらわなくちゃならなくなるよ。まぁ・・・・・・兄さんがそれでいいって言うんなら僕は別に構わないけどさ」
赤くなったり、青くなったり。
面白すぎるよ、兄さん・・・・・・。
「そ、それは嫌だ・・・・・・・・・ってか、あっちにあるお前の身体だって!!」
「言葉を返すようで悪いけど、兄さん、僕は身体持ってかれたあの時点では既に剥けてたし、ちゃんと精通もあったよ」
眼だけじゃなく口まで開けて。
「お・・・お、おまっ・・・・・・おま・・・おませさんっっ!?」
「まぁ、それについては認めないこともないけどね、それにしても兄さんのそれは遅すぎるから」
だからほら、と、兄さんを起き上がらせて自分の手に握らせて。
戸惑って見上げる小動物のような兄さんを見下ろす僕は変な感慨に浸る。
こんなことはたいがい友達同士で情報交換しながら済ませちゃうものだし、男兄弟なら兄が弟に教えることはあるだろう。
10代も後半になろうって兄に、弟が性教育してやるってどうなのさ。
前とせいぜい真後ろしか見ていないような兄さんらしいって言えばらしいけど。
「じゃあ、そのまま手をゆっくり上下させる」
僕を見上げたままガチガチに緊張している兄さんは・・・・・・兄さんは・・・・・・・・・。
こともあろうにその両手を勢いよく動かした。
「んぎゃっ!!!!!!」
「ばっ・・・馬鹿かあんたはっ!!」
「痛いイタイいたい」
イタイのはあんたの頭だ兄さん。
「当たり前だろ!デリケートな部分なんだからもっとやさしく扱わないと!」
「ぅぐぅ〜〜〜〜っ」
股間を押さえて蹲って、小さな身体を一段と小さくしている兄さんの姿に起こすわけのない眩暈を覚えて、僕は兄さんの転がるベッドに腰を降ろす。
「ああもう、まったく世話の焼けるっ!」
抱えあげて背中から抱き込んで脚を開かせて両手を離させて。痛みに縮み上がったそれを僕がそっと握る。
やわやわと揉んでやると、兄さんが小さく息をついた。
「どう?痛くない?」
「痛くないけど・・・・・・なんか、へん・・・・・・・・・」
「‘気持ちいい’でしょ?」
何が言いたいのかなんとなく解って聞きなおすと、兄さんは耳と頬を真っ赤にして頷いた。
柔らかくもんでゆっくりと擦って。
兄さんが浅く息をする太腿が細かく震える。
手の中のそれが少しずつ大きくなる。包み込んだ皮の間から先っぽが顔を覗かせる。
「あ、アル・・・・・・キツい・・・なんか変っ」
そうだろうね。だって、兄さんのこれは外に出たがってる。
僕は兄さんの口元に指先をあてがう。
「ちょっとこれ舐めて。唾いっぱいつけて濡らして」
言われるまま兄さんは素直に僕の指を舐めてたっぷりと濡らす。
その指で僕は兄さんの先端に潤いを与える。ぬめりを塗り広げるように円を描くように。
少しずつ僕は包皮をずらす。ピンク色の先っぽが姿をあらわす。
なんだか懐かしいな、この感覚。
ああ、あれからもう4年以上も経つんだな。
僕にはじめてその知識をもたらしたのは、兄さんの悪友だった。
悪友で大親友。
だからてっきり兄さんだって、もうとっくにオトナになっているもんだと思っていたよ。
それが今まで皮も被ったままだったということは・・・・・・晩生な兄さんのことだからきっと真っ赤になって逃げ出したんだろう。この様子から察するに。
「ア・・・ルっ・・・・・・・・・」
しみじみと想い出に耽っていた僕は、名前を呼ばれて現に戻る。
泣きだしそうな顔で目元を赤く染めて兄さんが僕を見上げる。
さっきのような痛みに怯えているんだろうか、唇を震わせて。
「・・・アル・・・・・・っ」
大人でさえも悲鳴を上げるというあの機械鎧の接合手術に耐え抜いた筈の兄さんが、こんな泣きそうな顔をして。
「大丈夫だから、痛くないようにするから」
どういうわけか僕はそんな兄さんを見て、楽しくて優しい気持ちになっている。
「ゆっくりするから、大丈夫だから」
安心させようとして髪を撫でる。僕の腕に兄さんが縋りつく。
初々しい。
ゆっくりゆっくり包皮をずり下ろして・・・・・・わずかに張り出した部分をゆっくりと通り抜けて。
柔らかな皮膚にずっとくるまれていた先端がようやく芽吹く。
やっと、それは大人の形に、なった。
「大丈夫?痛くなかった?」
「ん・・・・・・」
こくんと小さく頷いた兄さんはまだ、僕の腕に絡まったままだ。
きついしがらみから解放されたそれは、僕の掌で震えながら体積を増やし形を変える。
その変貌に気後れしてか、兄さんがますます不安そうな顔を向ける。
「あ・・・アル・・・・・・」
「じゃ、いっかい出しておこうか」
射精の快感は、男として知っておくべきでしょう。
鼻歌でも歌いだしそうな気分で、僕は兄さんのそれを擦りあげる。
乱暴にならないように、そっと。
「ぁ・・・・・・はぁっ・・・・・・・・・んっ」
兄さんの指が強張って、僕の手甲に爪を立てる。
「強い?」
フルフルと首を横に振る。膝が深く曲がる持ち上げられる。
「気持ち良いの?」
眼には涙がたまってうるうると僕を見上げて。
「・・・・・・ア・・・ルっ・・・・・・・・・い、いい・・・よぉ」
ドッ、キュ―――――――――→ン!
な、ななな何だこの小動物可愛いかわいすぎる何なんだうちの兄は!
いいい良いのか?ここが良いのか?誘っているのか誘われてるのか?
「アルっ・・・・・・・ア・・・ル、ぅ」
兄さんの背は撓って腰は浮いて僕の手にまるで催促するみたいに擦り付けて腰を揺らして。
今、僕が生身の身体だったら・・・・・・この部屋は間違いなく鼻血の海だ。
あたり一面血の海だ!
い、いいいいいのかこれで?天才の誉れ高い史上最年少国家錬金術師エドワード・エルリックともあろう人がこんなにえっちで可愛くて?
こ、こんなに可愛くて将来女なんか抱けるのか?それともウチの兄はソッチの道を進むのか?
あああ、だけどこんな可愛いもん他の誰に見せてやるかそんなもったいない真似が出来るか!?
「アル・・・ぅ、も・・・・・・っと・・・もっとこすっ、て・・・・・・」
せつなげな顔上気した頬。吐息に乾いた唇を舐める柔らかそうな赤い舌。
‘男冥利に尽きる’とか‘据え膳食わぬは男の恥’。そんな言葉が僕のこの空洞の鎧から溢れかえる零れ出る。
その‘据え膳’が実兄というのはいかがなものかと囁く理性を彼方に投げる。
遠く遠く、星の彼方に!!!!!
「・・・ぁ、アル・・・・・・んっ・・・そ、そこも、気持ち・・・いぃ・・・・・・っ」
・・・・・・そこも?
兄さんの視線を辿り‘そこ’を見る。
・・・・・・・・・・・・・っ!!!!!!
なっ、なななななななにを僕は無意識に兄さんの乳首捏ね繰り回しているんだ!?
あああああああああ!で、でも楽しい!!とてつもなくたのしいとんでもなく愉しい!!
血の繋がった兄さんの股間や乳首をいじくり回して愉しいなんて世も末だ。
世も末だけど、こんな美味しい役どころ他の誰に譲れるかっていうんだこんな可愛い生きもの他の誰に見せられるかっっっ!!
膨れ上がる激情。
オスの本能の呼びかけるままに兄さんを喘がせる追い上げる。
「あ、アルっ!でっ出るっなんか出ちゃう・・・・・・っ」
「いいよ、出しな。出しちゃいな、兄さん」
僕の腕にしがみつく。ぎゅっとしがみついて兄さんの身体がビクビクと痙攣する。
「ぁ、ぁっ・・・・・・・あぁ・・・んっっっ!!」
噴出す白濁。
今の今まで溜め込んでいた濃いモノが細い道を通り抜ける。絶頂が更なる高みに兄さんを押し上げる。
細く高く悲鳴のように喘ぎを上げて、兄さんが徐々に脱力する僕の腕の中で沈み込む。
僕の魂はオスとしての喜びに震える。
ゆるゆると開かれた金の瞳が、不思議な色を湛えて僕を見上げる。
・・・・・・・・・コレハ僕のモノダ・・・・・・・・・・・・・・・・・。
僕の心の底で何かが低く囁きかける。
長い冬の間眠り続けていたものたちが息を吹き返すうららかな春。
僕らはうっかり、なにかを芽生えさせてしまった・・・・・・かもしれない。
END
このお話に『唯我独尊』のらせきち様が、イメージイラストを描いてくださいました♪
エロ可愛い子が『唯我独尊』さまで待ち受けています(笑)是非!見に行かれてください!!