「う〜〜、しかし掘ってみないと石油・・・・・・原油か?そのありかが判らないってのがな・・・・・・・」
ペンのお尻を齧りながらエドワードさんがうなり声を上げる。
「お金掛かりそうだものねー。あんたが国家資格持ってた間に研究費ぜんぶ引き出しとけば良かったわねぇ」
「研究費くらいじゃ足りねぇよ。どこにあるかわかってるならともかく」
なんでも、かつて『国家錬金術師』だったというエドワードさんには、国が‘研究費用’として莫大な予算を与えていたのだという。
その資格を取ったのが12歳の頃だったのだというのだから・・・・・・なるほどお金の苦労なんかしたことがないんだ。
そうか・・・・・・だからこの人の発想の中には‘額に汗して働く’というのが無いんだなぁと、妙に納得してしまう。
「お金なら、アームストロング財団になんとかしてもらえるんじゃない?‘人の為になる空飛ぶ乗り物’なんだし、喜んで協力してくれそうだよ。‘我輩、感動っっ!!’とか言いながらさ」
ちょっと兄さんがあのベキバキっと暑苦しい抱擁を我慢すれば良いだけだよ、と、アルフォンス君がにっこり笑う。エドワードさんの顔が引き攣る。
「うへぇっ!アル、お前兄ちゃんを売る気かよっっ」
よよよ、と泣き真似をする。ウィンリィさんがからからと笑う。
「だってアルフォンスさんは病人だし僕はこのとおりコドモだし」
「お前が子供なのは見た目だけじゃんか!」
アルフォンス君とウィンリィさんは笑い転げて、エドワードさんは必死で。
なんでエドワードさんがあんなに嫌そうだったのか、そのわけを知ったのはそれから数日後。
ベキバキとありえない音を聞きながら・・・・・僕はそっと心の中で呟いた。
僕の代わりにありがとう、エドワードさん、と。
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