「おい、アルフォンス」
皆が囲むにぎやかな食卓で、エドワードさんが僕の皿を覗き込み呟いた。
「お前、何ピーマンだけはじいてんだよ」
気づかれた・・・・・・・。
向こうで一緒に暮らしていた時にはほとんど僕が食事の支度をしていたから。
敢えて、食卓には上らせなかった食材。
「人間、誰にだって苦手なものはあるんです。エドワードさんだって、そこの牛乳ぜんぜん減ってないじゃないですか」
「牛乳なんざ飲まなくたって人間は生きていけるんだ。カルシウムなんか他で摂ればいいだけのことだ」
「それならピーマンだって一緒ですよ。緑黄色野菜は他にいくらでもあります」
並んで座って言葉と視線で戦いを繰り広げる僕ら。
「あんたたちねー・・・・・・何低次元な争いしてんのよ。好き嫌いいわずにしっかり食べなさい!」
「その点、アルは偉いね。好き嫌いもないし出されたものに文句を言ったこともないし、残さずにしっかり食べるし」
ピナコおばあさんにほめられたアルフォンス君が、僕の皿のピーマンと、エドワードさんの牛乳をするりと攫って平らげる。
「一番大きくなってやるー!!」
にやりと不敵に笑う。
「あんたはおかわりすればいいでしょ。この馬鹿どもに食べさせなくてどうすんのよ」
「いいじゃない。アルフォンスさんはもうこれ以上大きくならなくてもいいし、兄さんは小さくていいよ可愛いし」
「大きくならなくてもいいけど、丈夫にはなったほうが良いねぇ」
それを言われると心苦しい。
「あ・・・・・・アル!ちっさいって・・・・・・・ちっさいって!!兄ちゃんになんてこと言うんだーーーっっ!!」
「あはははははは!」
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