『 甘いあまい休日の朝 』
心地よい温もりにすっぽりと包まれて、俺はゆるゆると覚醒した。
オレを抱く、温かな腕、ふれあう肌、取り戻したアルの生身の肉体。
成長した長い手足、変声期を迎え通り過ぎた少し低い甘い声。
それらの全てが幸せで、愛しい。
その笑顔も、安らかな寝息も、俺を抱く熱も激しさも何もかもが。
愛しい。お前の全てが愛しいよ、アル。
愛しい。いとしい。愛してる・・・・・・・・・。
兄弟でこんなのはおかしいとはわかっているけど、恋しくて。
胸が温かくなったり、くるおしく、痛んだり。
愛しくて堪らない。お前も愛してくれてるって知っているから、離れられない。
好きだよ、好きだ・・・・・・好き・・・・・・・・・・・・・。
心の中でそう呟いて、俺を包む腕に頬を摺り寄せて。
それと同時に、こめかみに、キスをされた。クスクスという笑い声が降ってくる。
「・・・・・・・・・起きてたのかよ、アル」
「うん。兄さんが可愛いことしてるなぁって思って、見てた」
「悪趣味」
「兄さんが可愛いのがいけない」
笑いながら、アルが俺の鼻をつまむ。何だよソレ、と、尖らせた唇にキスをされる。
「膨れっ面もかわいい」
「・・・・・・・・・お前、ばか?」
「あはは、仕方ないでしょ、兄さんが可愛いんだから」
すっかり男くさくなった笑顔。
筋肉は付いているものの厚みのない俺は、その腕の中にすっぽりと納まってしまう。
「もしかして俺が馬鹿にされてる?」
「なわけないでしょ」
好きだから可愛いと思うんでしょう、と、顔中にキスをされる。未だ子供みたいなのが悩みの頬を甘噛みされる。
「可愛い。好きだよ、兄さん」
なんどもなんども恥ずかしくなるくらいその言葉を繰り返し聴かされて、同じ数だけ口付けられて。
少しずつ、口付けが深くなってくる。
甘い戯言と、たわむれみたいなキスに体中の力がぬけて反撃の出来ない俺。
そんな俺を見下ろして、蕩けるような笑顔のアル。
「兄さんを可愛がりたおしちゃいたい気分」
「・・・・・・・・・野獣のクセに」
ていうか、もう既に可愛がり倒されちゃってますけど。
「やさしくする」
色っぽくて、優しい笑顔が近づいてくる俺はそっと目を閉じて承諾する。
休日の朝、穏やかに光射すベッド。
宣言どおりの優しい手のひらに、溶かされる。
END