生身の身体を取戻して身の回りのさまざまも落ち着きを取戻して。
弟は・・・・・・料理にはまった。
楽しそうに作るし美味そうに食う。
そんなアルの姿に見とれて俺は幸せに浸る。
だってアルは何をしても様になる。
ものを咀嚼し飲み込むときに上下するその咽喉仏の動きさえも色っぽくてそそられる。
こんなオトコがコイビトなんて。
ちょっとありえない。こんなイイオトコが俺のコイビトなんて。俺に欲情しちゃうだなんて。
あの色っぽい唇が俺の肌を美味そうに啜って。あの強そうな犬歯が俺の内腿に食い込んで・・・・・・・・・やべぇ、起っちまう。つーかあぁもう思い出しただけで腰砕け。
そわそわと落ち着かなくて、テーブルの上、盛り付けを待っているチェリーに手を伸ばす。
「なぁにカワイイ顔してジロジロ見てるのさ?」
ローストビーフを作るのだといって凧糸で肉を縛っていたアルフォンスが振り返る。口の端を片方だけニッと上げる悪そうな顔。
「って、盗み食いなんて行儀悪いね」
「あ、いや、これはその・・・・・・」
「言い訳しない。そういう悪い子は・・・・・・」
鮮やかな手つきで見事な早業でクスクスと笑いながら。
俺は椅子の背もたれ越しの後ろ手に、アルが手にしていた凧糸で・・・・・・両方の親指を縛られてしまって動けない。
「あ、アルっ!」
慌てる俺の唇をアルフォンスがキスで塞いで。
「そこでいい子にしてな。兄さん」
だいたいどうしてそこで見てるかな楽しみが減るだろうに、などと笑いながら料理の続きを始める。
そう、アルが作っているのは誕生日のごちそう。
俺の20回目の誕生日の晩餐。
硬い糸で縛り上げた肉に塩と胡椒を擦り込んでフライパンで焦げ目をつける、野菜を添えてオーブンへと送り込む。
時間を見ながら今度は、既に焼きあがって冷ましておいたスポンジを取り出し生クリームを泡立て始める。
この椅子から動くことも出来ずに俺は、アルの背中を見ている。
スラリと長い脚、姿勢のいい立ち姿。
すっかりと俺の身長を追い越して・・・・・・まぁ、悔しいけれどもこれについてはどこの兄弟姉妹を見ても大概下にいけばいくほど大きいようだと気付いてからは『これぞまさしく此の世の理』なのだと他人にも・・・・・・自分にも・・・・・・言い訳・・・じゃない『説明』することにしている。
でも、あぁもうホントにカッコイイ。ずるいと思うけど悔しいけどもうホントにカッコイイ。
好きで好きで好き過ぎて・・・・・・なんかもう、自分が馬鹿なんじゃないかと思う。
なんか俺ってカッコ悪い。アルのこと好き過ぎてカッコ悪いけど好きで好きでたまらない。
「・・・・・・アルぅ・・・・・・・・・」
好きで好きで困ってしまって名前を呼ぶ。アルは必ず振り返る。
「ん?どうしたの、兄さん?そんな困った顔して」
どんな小さな声でも、必ず俺を振り返る。
「アル・・・・・・好き」
とろけそうに嬉しそうにアルが笑う。
「僕も、兄さんが好きだよ。愛してる」
やさしく笑って俺の頬を撫でてキスをくれる。
ついばむようなキスを繰り返されて・・・・・・それだけで俺は、ダメになる。
オーブンが、チン、と軽快な音を立てて止まる。
「ねぇ、兄さん・・・・・・パーティー、ここでしちゃおうか?」
耳元で、唆すような甘い声で。
俺は、こくりと頷いて返した・・・・・・・・・。
キュポン、と軽快な音を立ててシャンパンの栓が抜かれる。
二つ並んだシャンパンフルートの片方だけに淡くピンクがかった金色の液体が注がれる。
「20歳の誕生日おめでとう、兄さん」
アルフォンスがそれを含み、俺の唇に重ねる。流れ込む。
かすかに甘いけれどすっきりした液体が、俺の口の中ではじけ、踊る。
ぶどうの味と豊かな風味をしっかりと残した上質のシャンパン。
けれど飲み下したそれよりもっと、アルの手管に俺は酔って・・・・・・。
俺の親指はまだ、背中で括られたまま。
「はい、兄さん。あーん、て、して?」
言われるままに開いた俺の口に、みずみずしいサラダが運び込まれる。口の端からこぼれたドレッシングを長い指が掬い取る。
それをアルが、舐めて。
シャツを汚してはいけないからと、ボタンが一つ一つ丁寧に外される。肩から外され大きくはだけられて、解けない腕に引っ掛かって。
ソースをたっぷりと絡めたローストビーフが口元に差し出される。雛鳥のように口をあけて、入れてくれるのを待つ。
ほの温かなソースが、ポタリ、と俺の胸に垂れ落ちる。
口に入れられたローストビーフを咀嚼する俺の、胸を濡らすソースをアルフォンスが舌で掬う拭い取る。
「ん・・・・・・っんくっ・・・くぅ・・・・・・ん」
ようやっと飲み下した俺に、もう一口、それが差し出される。
狙ったように、とろりとしたソースが、俺の乳首に滴って。
口の中の肉を咀嚼する。乳首に垂れたソースをアルが啜る。可愛がって欲しいと主張する乳首を甘く噛まれる。
「んぅ・・・ん」
口の中の肉を咀嚼する溢れた唾液をアルが舐め取る。
ごくん、と、肉を飲み下す。俺は大きく息をつく。
「はぁ・・・・・・あ、アル・・・・・・・・・・下、キツイ・・・・・・・・・・・・・」
「下?どこが、キツイの?」
やさしくて、いやらしい眼差しで、俺を見詰めて。
「・・・・・・・・お・・・ちんちん・・・・・・・・キツ・・・・・・い、下・・・・・・脱がし、て」
ご褒美みたいなキスを貰ってきつい戒めのようだった革のパンツと下着を脱がしてもらって。
ピンク色に染まった半立ちのそれがひょこりと更に首をもたげる。
ね・・・・・・触って。俺をもっと、可愛がって・・・・・・・・。
待ちわびてゆっくり開こうとした脚を止められる。
「ねぇ、兄さん。脚、閉じて・・・・・・隙間がないくらいに、ぴっちりと」
やさしい口調優しい声。なのに抗えない命令のような力を秘めた言葉に従い、内腿をきゅぅとくっつける。隙間なく、きっちりと。
「いい子だね、兄さん」
褒めてもらってうっとりとする俺の、その閉じた腿にシャンパンが注がれる。
「あ・・・・・・・」
発砲するピンクゴールドの液体。その肌理細かな泡が俺のソコに絡み付いて、はじける。
ショワショワと弾けてたまらなくて背中を甘い痺れが走る。
「綺麗だよ。兄さんの蜂蜜色の毛が揺れて凄くきれい・・・・・・兄さんのおちんちんも、真珠で飾ったみたいで、可愛い」
そう言って、アルがシャンパンに口をつける。
ごくりと飲み込む音。啜る水音。時折俺の性器を舐めて・・・・・・。
「美味しいよ、兄さん」
震える先端を甘く吸って・・・・・・。
「ひゃ・・・・・・ん、ぁあ、んっ・・・・・・ア、ル・・・っ」
震える腿、隙間からさわさわと液体が伝う。
触れて欲しくて疼く奥まで伝って、濡らす。
飲み干して濡れた腿、シャンパンの伝い流れる脚を大きく開いて見せ付けてねだる腰を揺らす。
「アル・・・・・・こっち・・・・・・・・・も、可愛が、って」
早く、はやく可愛がって俺をトロトロに融かして。
「いいよ、いっぱい可愛がってあげる・・・・・・・誕生日、おめでとう・・・・・・兄さん」
成人を迎える夜の、二人だけのパーティー。
アルフォンスが腕によりをかけて・・・・・・。
そのごちそうを味わうのは・・・・・・誰?
END
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