丁寧になめした皮革のリボンが俺とアルをつなぐ標。
俺が、アルのものなのだと知らしめる標。
離れていても、触れてもらえなくても。
絶え間なく。
俺が・・・・・・アルフォンス・エルリック唯一人の・・・虜であるのだと。
目の前に差し出されたそれは、弟の鎧の手甲と同じ色をした皮のリボンだった。
「これを・・・・・・兄さんのソコに、巻きつけて、結んで」
放埓を終えてうなだれた俺の性器を指差して、低く抑えたあまい声で唆すように囁いて。
「ん・・・・・・」
アルフォンスがリボンの一端を持ち、たっぷりと長いそれを俺の性器に俺が自分で、アルフォンスの指示通り螺旋を描くように巻きつけてゆく。
「きつすぎても、緩すぎても、いけないよ?」
先端の括れまで巻くと、それは無様に吊り上げられて。
そんな恥ずかしい、みっともない姿を弟の鎧の顔が余さず見詰めて・・・・・・。
恥ずかしくて・・・・・・身体が、熱くて・・・・・・・・・。
‘トクン’と、ソコに、熱が集まる。
体積を増そうとするのを皮革のリボンが、締め付けて、拒んで・・・・・・。
きついのに、それはアルフォンスの掌の感触に似て、気持ちよく・・・て・・・・・・・。
「あ・・・・・・ぁ」
背筋をゾクゾクと快感が這い上がる。
さっきイッたばかりなのに吊り上げられた先端が、また露を結んで、滲んで。
「もう気持ちよくなっちゃったの?でも、ダメだよ。ちゃんと最後まで巻いて、根元で結んで」
震える手で、俺はさっきと同じように今度は根元に向かって螺旋を伸ばして。
気持ちよくて、もっと気持ちよくなりたくて無意識にきつく巻いてしまって揶揄われる。
「そんなにきつくしたら、おちんちん腐って落ちちゃうかもよ?ねぇ、そんなに気持ちいい?・・・・・・・・・淫乱だね、兄さんは」
揶揄われて罵られて、恥ずかしくて、気持ちよくて・・・・・・。
快感におぼつかなくて、手が止まってしまう。
「言われたとおりに、出来ないの?」
ひんやりと、突き放すように言われて。
鞭で打たれたみたいに、俺は、ぶるぶると震えて。
「で・・・出来る・・・・・・ちゃんと、やるから・・・っ」
だから、捨てないで。俺を捨てないで。
言われたとおりに、ちゃんとするから。全部お前の言うとおりにするから。
俺を捨てないで俺を愛して俺をお前のものでいさせて。
「取れなくなっちゃうといけないから、ね。そこで蝶々に結んで」
命令どおりに、リボンを巻く。根元でそれを女の子の髪を飾るみたいに蝶々結びに結んで。
「そう・・・・・・いい子だね。可愛いよ、兄さん」
うっとりと落とした、それでもなお高い子供の声。優しく響く声音が、そっと俺の肌を撫でてゆく。
褒めて貰えて、嬉しくて。
だけどもっともっと褒めて欲しくて、俺は手を背中に回してソレを曝け出す。
アルにちゃんと、見えるように。ちゃんと、見て、貰えるように。
よく出来たねと、褒めて、貰えるように。
アルのからだが賢者の石になって。
俺が・・・・・・錬金術師が触れることで練成反応を起こしてしまうようになって、それが何を引き起こすかがまったく解らなくて。
触れてもらえなくて。
この身を犯してもらえなくって・・・・・・。
焦がれて、せつなくて。
弟の目の前で脚を開いて、自分を慰めるさまを見てもらって罵られて命令どおりに自分の身体に触れて慰めて褒めてもらって。
支配される快感は安堵を呼ぶけれどそれでもまだ足りなくて。
触れて欲しくて、その手で触れて欲しくて。
焦がれて。
啼いて、その手を欲しがって。
「上手に結べたね。ねぇ、兄さん・・・・・・どんな感じ?」
発情して震えて、中途半端に勃ちあがったソコに視線を感じて。
「アルに・・・・・・握ってもらってるみたいで・・・・・・・・・気持ち、いい・・・・・・すごく」
見てもらって褒めてもらって気持ちよくて、勃起しようとする性器が、皮革の感触に締め付けられて気持ちよくて。
「それ、勝手に解いたらダメだよ。汽車に乗るときも、司令部に行くときにもずっと、それをつけておくんだ」
人混みの中でも。太陽の下でも。
「今は触れてあげられないけど、ちゃんと、兄さんが僕のものだっていうしるしだよ。何処にいても、離れているときでも、兄さんが僕を感じられるようにっていうしるしだよ」
そして今、遠く離れて。
時空さえ超えた異郷の地で、遠い記憶の中のお前がそのまま大人になったような容姿の男と生活を共にして。
取り澄ました顔をして。
清潔な衣服の下、俺の唯一人の主‘アルフォンス・エルリック’の変わらぬ支配に酔いしれる・・・・・・。
絶え間なく・・・・・・。
未来永劫、変わることなく・・・・・・。
end.
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